質量欠損

原子を構成する中性子、陽子、軌道電子の静止質量の総和は、原子の質量よりも大きい。
その差を質量欠損という。

質量欠損（mass defect）:⊿m
原子番号：Z
中性子数：N
とすると、

⊿ｍ＝陽子質量×Z　＋　中性子質量×N　＋　電子質量×Z　－　原子質量

結合エネルギー（binding energy）は、質量欠損をエネルギーに置き換えたもので　⊿ｍｃ＾２　で表される。

質量欠損⊿ｍを質量数Aで割った値⊿ｍ/Aを比質量欠損（specific mass defect）という。
これをエネルギーに置き換えたものを平均結合エネルギーといい、⊿ｍｃ＾２/A で表すことができる。

クーロン効果：原子内の陽子数が増加すると、陽子間のクーロン斥力（反発力）が増大し、結合エネルギーを見     かけ上打ち消す現象。

分離エネルギー：原子からある量の原子を引き離すのに必要なエネルギーのこと。

分離エネルギー　S ＝（分離された原子のエネルギー　＋　分離した原子のエネルギー）　－　元々の原子のエネルギー
つまり、
S = { m( Z-z . N-n ) ＋ m( z , n )}c^2 － m( Z , N )c^2
陽子一個を引き離すと、z=1、n=0　として計算すれば、イオン化エネルギーが求まる。

原子質量単位

原子質量単位（atomic mass unit）
単位記号[u],[amu]

C-12の原子の質量を12uとしている。

1u=1.66×10^-27 [kg]
電子の質量　　　＝ 0.00054858u
陽子の質量　　　＝ 1.007276u
中性子の質量　 ＝ 1.008665u

1uc^2= 1.49244 × 10^-10 [J]
           = 931.502 [Mev]

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1uc^2=1.66×10^-27 ×　(2.9979×10^8 )^2
           =1.49244 × 10^-10
           =1.49244 × 10^-10 / 1.602×10^-13
　　　　 =931.502 [Mev]

1Mev=1.602×10^-13[J]